実践的な解決策まとめ
この記事の目的
AI開発で陥りがちな11のアンチパターンと、それらに対する 実践的な解決策 をまとめます。
11のアンチパターンと解決策
アンチパターン①「Accept All症候群」
問題: AIの出力を無批判に受け入れる
解決策:
- Accept Allボタンを使わない
- すべてのdiffを読む
- 各変更の意図を理解する
- セキュリティチェックを行う
アンチパターン②「動いたからOK」
問題: 動作確認だけで品質を判断
解決策:
- 「動く」≠「正しい」を意識
- コードレビューを必ず行う
- エッジケースをテスト
- セキュリティスキャンを実行
アンチパターン③「一括依頼」
問題: 大量のコードを一度に依頼
解決策:
- タスクを小さく分割(各20-30行)
- 1つの機能ずつ依頼
- 各ステップでレビュー
- 動作確認してから次へ
アンチパターン④「コンテキスト喪失」
問題: セッション間で情報が失われる
解決策:
- CONTEXT.mdを作成・維持
- ADR(Architecture Decision Records)を書く
- セッション開始時にコンテキストを渡す
- ドキュメントを更新する習慣
アンチパターン⑤「スパゲッティ大量生産」
問題: モンスター関数の乱造
解決策:
- 関数は30行以下を目標
- 1関数1責務を意識
- プロンプトで行数制限を指定
- 生成後にリファクタリング
アンチパターン⑥「テスト省略」
問題: テストなしで本番へ
解決策:
- コードと同時にテストを依頼
- CIでテストを自動実行
- テストファーストを検討
- 重要機能は必ずテスト
アンチパターン⑦「非技術者単独開発」
問題: 技術知識なしでの本番運用
解決策:
- 技術者との協業
- プロトタイプ止まりの覚悟
- 最低限の技術知識を学ぶ
- 本番は必ず技術者レビュー
アンチパターン⑧「セキュリティ軽視」
問題: セキュリティを後回し
解決策:
- プロンプトにセキュリティ要件を含める
- OWASP Top 10チェック
- 自動セキュリティスキャン
- 技術者によるセキュリティレビュー
アンチパターン⑨「計画なしの開発」
問題: 設計なしに作り始める
解決策:
- 要件定義を先に
- アーキテクチャを設計
- 小さな単位で反復
- CONTEXT.mdで決定事項を維持
アンチパターン⑩「AIの限界を理解しない」
問題: AIを万能と思い込む
解決策:
- AIの得意・不得意を理解
- 適材適所で使う
- 判断は人間が行う
- 複雑なロジックは人間が設計
アンチパターン⑪「AI特有のコード品質問題」
問題: AI生成コード特有の問題
解決策:
- 不要なコメントを削除
- ネストを減らす
- 命名規則を統一
- 重複コードをリファクタリング
段階別の推奨アクション
今日からできること
-
Accept Allをやめる
- すべてのdiffを読む
-
CONTEXT.mdを作成
- 技術決定を記録
-
小さく依頼する
- 1機能ずつ
今週中にやること
-
セキュリティスキャンを導入
- Snyk、SonarQubeなど
-
CIでテストを自動実行
- GitHub Actionsなど
-
チェックリストを作成
- レビュー用、デプロイ前用
今月中にやること
-
コードレビュープロセスを確立
- AI生成コードには必ずレビュー
-
ドキュメント整備
- README、API仕様、アーキテクチャ
-
教育・トレーニング
- チームでアンチパターンを共有
ツールの活用
解決策を実践するためのツールを紹介します。
コード品質
| ツール | 用途 |
|---|---|
| ESLint | JavaScript/TypeScriptの静的解析 |
| Prettier | コードフォーマット |
| SonarQube | 総合的な品質チェック |
セキュリティ
| ツール | 用途 |
|---|---|
| Snyk | 依存関係の脆弱性チェック |
| OWASP ZAP | Webアプリケーションスキャン |
| GitHub Dependabot | 依存関係の自動更新 |
テスト
| ツール | 用途 |
|---|---|
| Jest | JavaScriptテスト |
| Vitest | Vite用テスト |
| Playwright | E2Eテスト |
CI/CD
| ツール | 用途 |
|---|---|
| GitHub Actions | CI/CD |
| CircleCI | CI/CD |
| Codecov | カバレッジ計測 |
チームでの実践
チームでAI支援開発を実践する際のガイドラインです。
ガイドライン例
# AI支援開発ガイドライン
## 基本原則
1. AIは「ツール」であり「代替」ではない
2. 生成コードの責任は人間にある
3. 理解できないコードは使わない
## 必須プロセス
1. AI生成コードには必ずレビュー
2. セキュリティチェックを実施
3. テストを追加
## AI開発で避けるべき禁止事項
1. Accept All禁止
2. レビューなしのマージ禁止
3. テストなしの本番デプロイ禁止
AI開発の継続的な改善プロセス
解決策は一度やれば終わりではありません。継続的な改善が必要です。
週次振り返り
- 今週Accept Allを使ったか
- セキュリティ問題は発生したか
- テストカバレッジは維持されているか
- 技術的負債は増えていないか
月次レビュー
- アンチパターンは減っているか
- コード品質は向上しているか
- チームのスキルは向上しているか
- ガイドラインは守られているか
この事例から学ぶべき教訓と実践ポイント
「実践的な解決策」から学ぶべきことは以下の通りです。
-
11のアンチパターンすべてに解決策がある
- 問題は解決可能
-
今日からできることがある
- Accept Allをやめる、CONTEXT.md作成
-
ツールを活用する
- 自動化で人間の負担を減らす
-
チームでルールを決める
- ガイドラインを作成
-
継続的に改善する
- 週次・月次で振り返り
まとめ:重要ポイントの振り返り
- 11のアンチパターン すべてに解決策がある
- 段階別アクション :今日、今週、今月
- ツールを活用 :ESLint、Snyk、Jest、GitHub Actions
- チームでルール化 :ガイドラインを作成
- 継続的改善 :週次・月次で振り返り
- 教訓:問題には解決策がある。実践せよ