AI支援開発入門 2025年12月6日

AI支援開発の実践的解決策【完全ガイド】

AI開発で陥りがちな11のアンチパターンと、その実践的な解決策を完全網羅。Accept All症候群、テスト省略、セキュリティ軽視など、各問題に対する具体的な対処法をまとめました。

川西智也

合同会社ロイヤルピース 代表

実践的な解決策まとめ

この記事の目的

AI開発で陥りがちな11のアンチパターンと、それらに対する 実践的な解決策 をまとめます。


11のアンチパターンと解決策

アンチパターン①「Accept All症候群」

問題: AIの出力を無批判に受け入れる

解決策:

  • Accept Allボタンを使わない
  • すべてのdiffを読む
  • 各変更の意図を理解する
  • セキュリティチェックを行う

アンチパターン②「動いたからOK」

問題: 動作確認だけで品質を判断

解決策:

  • 「動く」≠「正しい」を意識
  • コードレビューを必ず行う
  • エッジケースをテスト
  • セキュリティスキャンを実行

アンチパターン③「一括依頼」

問題: 大量のコードを一度に依頼

解決策:

  • タスクを小さく分割(各20-30行)
  • 1つの機能ずつ依頼
  • 各ステップでレビュー
  • 動作確認してから次へ

アンチパターン④「コンテキスト喪失」

問題: セッション間で情報が失われる

解決策:

  • CONTEXT.mdを作成・維持
  • ADR(Architecture Decision Records)を書く
  • セッション開始時にコンテキストを渡す
  • ドキュメントを更新する習慣

アンチパターン⑤「スパゲッティ大量生産」

問題: モンスター関数の乱造

解決策:

  • 関数は30行以下を目標
  • 1関数1責務を意識
  • プロンプトで行数制限を指定
  • 生成後にリファクタリング

アンチパターン⑥「テスト省略」

問題: テストなしで本番へ

解決策:

  • コードと同時にテストを依頼
  • CIでテストを自動実行
  • テストファーストを検討
  • 重要機能は必ずテスト

アンチパターン⑦「非技術者単独開発」

問題: 技術知識なしでの本番運用

解決策:

  • 技術者との協業
  • プロトタイプ止まりの覚悟
  • 最低限の技術知識を学ぶ
  • 本番は必ず技術者レビュー

アンチパターン⑧「セキュリティ軽視」

問題: セキュリティを後回し

解決策:

  • プロンプトにセキュリティ要件を含める
  • OWASP Top 10チェック
  • 自動セキュリティスキャン
  • 技術者によるセキュリティレビュー

アンチパターン⑨「計画なしの開発」

問題: 設計なしに作り始める

解決策:

  • 要件定義を先に
  • アーキテクチャを設計
  • 小さな単位で反復
  • CONTEXT.mdで決定事項を維持

アンチパターン⑩「AIの限界を理解しない」

問題: AIを万能と思い込む

解決策:

  • AIの得意・不得意を理解
  • 適材適所で使う
  • 判断は人間が行う
  • 複雑なロジックは人間が設計

アンチパターン⑪「AI特有のコード品質問題」

問題: AI生成コード特有の問題

解決策:

  • 不要なコメントを削除
  • ネストを減らす
  • 命名規則を統一
  • 重複コードをリファクタリング

段階別の推奨アクション

今日からできること

  1. Accept Allをやめる

    • すべてのdiffを読む
  2. CONTEXT.mdを作成

    • 技術決定を記録
  3. 小さく依頼する

    • 1機能ずつ

今週中にやること

  1. セキュリティスキャンを導入

    • Snyk、SonarQubeなど
  2. CIでテストを自動実行

    • GitHub Actionsなど
  3. チェックリストを作成

    • レビュー用、デプロイ前用

今月中にやること

  1. コードレビュープロセスを確立

    • AI生成コードには必ずレビュー
  2. ドキュメント整備

    • README、API仕様、アーキテクチャ
  3. 教育・トレーニング

    • チームでアンチパターンを共有

ツールの活用

解決策を実践するためのツールを紹介します。

コード品質

ツール用途
ESLintJavaScript/TypeScriptの静的解析
Prettierコードフォーマット
SonarQube総合的な品質チェック

セキュリティ

ツール用途
Snyk依存関係の脆弱性チェック
OWASP ZAPWebアプリケーションスキャン
GitHub Dependabot依存関係の自動更新

テスト

ツール用途
JestJavaScriptテスト
VitestVite用テスト
PlaywrightE2Eテスト

CI/CD

ツール用途
GitHub ActionsCI/CD
CircleCICI/CD
Codecovカバレッジ計測

チームでの実践

チームでAI支援開発を実践する際のガイドラインです。

ガイドライン例

# AI支援開発ガイドライン

## 基本原則
1. AIは「ツール」であり「代替」ではない
2. 生成コードの責任は人間にある
3. 理解できないコードは使わない

## 必須プロセス
1. AI生成コードには必ずレビュー
2. セキュリティチェックを実施
3. テストを追加

## AI開発で避けるべき禁止事項
1. Accept All禁止
2. レビューなしのマージ禁止
3. テストなしの本番デプロイ禁止

AI開発の継続的な改善プロセス

解決策は一度やれば終わりではありません。継続的な改善が必要です。

週次振り返り

  • 今週Accept Allを使ったか
  • セキュリティ問題は発生したか
  • テストカバレッジは維持されているか
  • 技術的負債は増えていないか

月次レビュー

  • アンチパターンは減っているか
  • コード品質は向上しているか
  • チームのスキルは向上しているか
  • ガイドラインは守られているか

この事例から学ぶべき教訓と実践ポイント

「実践的な解決策」から学ぶべきことは以下の通りです。

  1. 11のアンチパターンすべてに解決策がある

    • 問題は解決可能
  2. 今日からできることがある

    • Accept Allをやめる、CONTEXT.md作成
  3. ツールを活用する

    • 自動化で人間の負担を減らす
  4. チームでルールを決める

    • ガイドラインを作成
  5. 継続的に改善する

    • 週次・月次で振り返り

まとめ:重要ポイントの振り返り

  • 11のアンチパターン すべてに解決策がある
  • 段階別アクション :今日、今週、今月
  • ツールを活用 :ESLint、Snyk、Jest、GitHub Actions
  • チームでルール化 :ガイドラインを作成
  • 継続的改善 :週次・月次で振り返り
  • 教訓:問題には解決策がある。実践せよ

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